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31年ぶりに改訂される看護師確保法 改定案を読む2

上の表は「改定の方向性(案)」36Pの「看護職員の離職理由」を年代別にまとめた表です。

 全体でみると1位結婚、2位子育て、3位転居、4位妊娠・出産となります。

看護師の退職というと、夜勤が辛い、超過勤務が辛いといった業務の過酷さを思い浮かべる人が多いと思いますが。

退職理由の上位は個人的な理由が並んでいます。

この表をもとに看護師の離職防止策を立てると、第一の対策は「子育てしやすい環境の整備」となります。

実際「改定の方向性(案)」では、「看護職員の離職理由」から子育て支援策が7Pにわたって続きます。

 子育て支援策が充実されることは良いことです。

しかし「看護職員の離職理由」から、離職防止のために子育て支援策を第一に持ってくるのはピントがずれているのではないでしょうか。

 上記の表からわかることは、結婚、妊娠・出産、子育てといったライフイベントと看護職員として働き続けることが両立できないということです。

両立を難しくする要因は何か?実はちゃんと「看護職員の離職理由」に書いてあります。

それは、「勤務時間が長い・超過勤務が多い」、「夜勤の負担が大きい」です。

全体の9、10位となっています。「勤務時間が長い・超過勤務が多い」、「夜勤の負担が大きい」から、結婚生活や、妊娠・出産、子育てと両立できないのです。

長時間労働と夜勤負担がいかに過酷なのかは、「自分の健康(主に身体的理由)」が20代で8位、30代でいったん9位になりますが、その後40代6位、50代2位と右肩上がりで上がっていくことからもわかります。

また20代の退職理由で4位「自分の健康(主に精神的理由)」、9位「自分の適性・能力への不安」が入っています。

これはキャリアをスタートさせた看護職員の職場への定着の困難を表しています。

新人職員の離職防止として様々な対策が取られていますが、長時間労働と夜勤負担の重い看護の職場は過酷であるということです。

 対策は、長時間労働を縮減し夜勤負担を軽減することです。

そのためには、増員が不可欠だと思うのですが、増員という文字はどこにも出てこないのでした。(つづく)

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