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ミニニュース

31 年ぶりに改訂される看護師確保法改定案を読む 3

今回は「④研修などによる看護師等の資質の向上」です。

 看護師として自分を高めていくためには、何よりも働き続けることができる労働条件を整備することが重要で、そこに手を付けずに研修だけで資質の向上が可能であるかのように言うのは机上の空論。以上。

ここで終わってもいいのですが。それだと「1分ニュース」ではなく「10秒ニュース」になってしまうので、一応なにが書かれているのかチェックしてみましょう。

まず「(1)生涯にわたる資質の向上」として、「『マイナンバー制度を活用した看護職の人材活用システム』を活用しながら研修受講歴を可視化」などと書いてあります。

あの欠陥システムを活用するというのです。

他人の受講歴が紐づけられた、受講したはずの研修が登録されていない等トラブル発生は確実です。

活用を今すぐ断念するのが看護師のためです。

 次いで新人看護職員の研修の推進です。

2010年にリアリティー・ショックによる離職を防ぐために研修が努力義務とされました。

今では「新人看護職員がいる病院における新人看護職員研修の実施割合(2022年):97.2%」とほとんどの病院で実施されています。

ではその効果はどうだったのか?案には具体的数字がありません。

 「●看護職員の離職率が増加し、正規雇用看護職員 11.6%(対前年比 1.0 ポイント増)、新卒採用 者 10.3%(同 2.0 ポイント増)、既卒採用者 16.8%(同 1.9 ポイント増)だった。

新卒採用者の離職率は同様の方法で把握してきた 2005 年以降、初めて 10%を超えた。」これは23年3月31日付で日本看護協会が発表したものです。

悪化しているんですね新人の離職率。97.2%の研修実施率でも悪化したわけです。

ここに切り込まないと意味がないんじゃないでしょうか。

 新人ばかりでなく、看護師全体の離職率が高くなっています。そこには確実にコロナの影響があります。

新人は臨床研修を十分行うことなく、コロナ禍で揺れる病院に配属されたのです。

つまり、コロナ禍で看護師全体が疲弊し退職者が増えたと考えるべきです。

 看護師全体が疲弊している時にやるべきことは、マイナンバーを活用した研修受講歴の可視化でしょうか。違いますよね。(つづく)

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