対象資格拡大・支給額引上げによる資格手当の改善
8年を超えても勤続年数に応じて昇給する給与制度への改善を
前号に引き続き第2回定期大会運動方針についての解説で、今回はコメディカル資格手当です。
資格手当は、昨年12月に19資格、月額5千円で開始されました。
本来は法人発足時から支給されるはずのものだったので、交渉で7月に遡及して支給することを実現させました。
運動方針では、「対象になった資格はほんのわずかで非常に不充分な内容です。
資格講習や研修など人員や時間の保証もなく、自分の時間とお金を使って達成することが求められている状況がある」と指摘しています。
今後も医療の高度化に伴い様々な資格制度が導入されることは確実です。
したがって資格制度は労使で不断に検討していくことが必要です。
労組としては、対象資格の拡大、月額の引上げを求めていくのは当然です。
19資格が対象になった理由について法人本部は、①職の根幹にかかわる資格でない、②施設基準や施設認定の要件になっている、③要件になっていなくても高い専門性があり質の向上に寄与、④十分な取得者がおらず人材確保のためと4要件をあげています。
支給基準としては非常にあいまい、よく言えば柔軟性があるものになっています。
この背景には、法人の賃金体系が入社後約8年で昇給がなくなることがあります。
職種によっては管理職への道がなく、そのような場合は定年まで働いても賃上げはありません。
これではモチベーションを維持できないので資格手当が導入されたという側面があります。
したがって資格手当改善と8年を超えても昇給する賃金制度の同時改善がなければ、コメディカルスタッフが長年勤続できる環境は整わないのです。
ダブルの改善を求めていきましょう!
「病院は自分たちを守ってくれない」を実感する日々
豊島病院ICU 安心感のない職場が看護師を退職に追い込む
豊島病院では深刻な看護師不足のため、異動してきたばかりのスタッフも早々に夜勤に入らざるを得ません。
ICUも同様です。ICUのような専門性の高い職場では、落ち着いて取り組める環境がなければ、どんなに能力のある人でも業務に慣れることができません。
バタバタしているうちに何とか夜勤が終わったでは、身につくものも身につきません。
このような繰り返しが、「(病院は)スタッフを守ろうとはしていない」、「(夜勤回数など)数字ばかりで現場を見ていない」、とスタッフを消耗させ退職に追い込んでいくのです。
1 期44号
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