1. HOME
  2. ブログ
  3. 都立病院労組ニュース
  4. 賃金・ボーナス
  5. 医療労働者3%賃上げの補正予算案を閣議決定

都立病院労組CONTENTS

コンテンツ

賃金・ボーナス

医療労働者3%賃上げの補正予算案を閣議決定

賃上げ半年分、以降はベースアップ評価料へ引継ぎへ

 政府は医療労働者の3%の賃上げ支援額を含む補正予算案を11月28日に閣議決定しました。補正予算案での賃上げは半年間とされているので、その後は来年6月の診療報酬のベースアップ評価料改定へ引き継がれると思われます。支援額は1床あたり賃上げ分として8.4 万円、全額が国からの交付となります。
 賃上げは歓迎ですが、3点問題があります(詳細が分かればもっと増えるかもしれません)。まず引上げ率が小さいことです。25年度の賃上げ率は5.25%(連合調べ)でした。なぜ5.25%ではなく、3%なのでしょう。25年10月の消費者物価は前年度比3%増でした。つまり3%の賃上げでは、物価上昇に相殺されてしまい生活の改善にはつながりません。そもそも医療労働者の賃金は他の産業に比べて低いのです。40代後半の全産業と看護師の給与格差は、夜勤手当を含めても月額9.5万円にもなっています(日本看護協会調べ)。物価上昇を考えれば、引上げ率は他産業並みの5.25%以上必要です。
 賃上げ支援は、ボーナスが考慮されていないことも問題です。24年のベースアップ評価料の導入では、毎月の賃上げは平均2.3%の賃上げとなりましたが、ボーナス増はありませんでした。そのため物価高に伴う年収のアップにはつながりませんでした。また基本給の引上げではなく、手当として支給した病院もありました。これでは、ボーナスに反映されず年収増への効果は限定的です。
 3点目の問題は、ベースアップ評価料に頼った賃上げには限界があることです。ベースアップ評価料が上がれば、患者の窓口負担額も上がります。窓口負担を極端に引き上げることはできません。そうなると物価がどれだけ上昇しても、診療報酬引き上げの範囲内で、それも2年に1回の賃上げとなります。医療労働者への賃上げ・労働条件は国が責任をもつべきです。

OTC類似薬の追加負担上乗せは薬剤費の二重取り

 厚労省は市販薬と効能が似たOTC 類似薬の保険給付を継続したまま、新たな追加負担を上乗せする方針を固めたことが明らかになりました。患者負担を考慮したとされていますが、上乗せで負担が生じることには変わりはありません。OTC 類似薬には、アトピー性皮膚炎など長期に渡り使用する薬剤が含まれています。上乗せ負担は薬剤費の二重取りで、現役世代の負担増につながります。

一部負担上乗せされる薬の例
保団連ポストより転載

20251203
  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事