全職員平均3.2%の賃上げ提案 都移行の10年保証見直しで中堅以上は都を超える賃上げ
7月28日に機構から賃上げ提案がありました。診療報酬改定で導入されたベースアップ評価料を原資に平均3.2%の賃上げを26、27年と実施したいという内容です。病院職員・再任用職員の賃金も引き上げられます。提案を受けて都立病院労組は各支部代表者会議を行い解明要求を提出しました。(解明要求全文は都立病院労組HP参照)解明要求を出したのは、今回の賃上げ提案にはいくつかの懸念事項があったからです。
最大の懸念事項は、都移行職員(独法化以前から公務員として都立病院に勤務していた職員)の「10年保証」の変更です。移行職員の給料は、基本給+調整額で成り立っています。独法化以降10年間は、都で賃上げが行われた場合、調整額を引き上げることで都の賃上げが給料に反映される仕組みが「10年保証」です。基本給が上がっていないので「10年保証」がなくなったと勘違いされている方がいますが、基本給ではなく調整額が上がっているので確認してください。
若手に厚くベテランに薄く。ここ数年の都の賃上げの実態です。これが移行職員の賃上げに反映されたので昨年のベテラン職員の賃上げは、物価高のなか4800円に留まりました。
今回の提案は、都の賃上げを反映させるのではなく、基本給+調整額という基本は維持したまま、機構本部が独自に調整額の引上げを行うことでベテランも含めた賃上げを行うというものです。
表は、昨年の都の賃上げ額(R7年移行職員賃上げ額)と、現在提案されている賃上げ案を昨年実施したと仮定した場合の賃上げ額(見直し案賃上げ試算額)を明らかにせよという解明要求に対する回答です。今年の都の賃上げはまだ決まっていませんが、昨年同様の傾向が続けば、15年目を境に若手は都の方が、ベテランは機構の提案の方が賃上げ額が高くなります。
懸念事項の2点目は、27年度まではベースアップ評価料での賃上げが確保されていますが、28年度以降はベースアップ評価料がどうなるかわからないことです。賃上げがない職場は、仕事を続けるモチベーションが続かずベテラン職員を育成することはできません。賃上げはコストの上昇ですが、将来の病院を支える先行投資です。ベースアップ評価料がなくなったから賃上げできません、というような態度ではベテラン職員を育成して、医療の質を保っていくことはできません。ですから、この点を解明要求しました。
「チーム医療を重視する病院現場の特性を踏まえ。特定の職員層に偏ることなく」、「職員の経験値やスキルの伸長に応え、長期的な貢献・定着に資するように」賃上げをしていきたい、「診療報酬制度を活用し、ベースアップを実施してきたところであり」、28年度以降も「診療報酬改定の内容や経営状況を踏まえて判断を行っていく」と回答がありました。
前半は、ベテランも賃上げしたいという事ですが、その理由として「職員の経験値やスキルの伸長」、「長期的な貢献・定着」とベテランの価値を評価しています。ここをきっかけに、12年で昇給しなくなる給与表から、働き続ければ昇給する給与表に改善していきましょう。
後半は、「ベースアップ評価料を利用して今まで賃上げしてきて、今後もそのつもりなんだけど」という意味です。ベースアップ評価料がないと賃上げはムリ、と言っていないことが重要です。

移行職員見直し案のイメージ
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