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都立病院労組ニュース

医療労働者を8年使い捨てにする給与制度を変えよう

ボーナス・賃上げ・人員不足解消を求める署名運動


グラフは、その国の平均賃金に対して看護師の賃金水準がどの程度になるのか、OECD加盟24カ国で高い方から低い方まで並べてみたら日本は何位なのかを02年から示したものです。

つまりグラフは日本が看護師を、医療労働者をどのように扱っているのかを表しているわけです。

02年日本は24カ国中8位でしたが、以降低下を続け21年には24位となってしまいました。

グラフ下の青の実線は02年を100とした日本の労働者の賃金の推移です。

ほとんど水平で上がっていないことがわかります。

しかしピンクの折れ線は、それにもかかわらず看護師の賃金水準だけが下がり続けたことを示しています。

なぜこんなことになったのでしょうか。

03年に地方独立行政法人法が成立し、公立病院の独法化が開始されました。

それまで公務員として55歳まで昇給する労働条件で勤務していた看護師の多くがその身分と給料を失ったからです。

どこでも、独法化された病院の給料は、おおよそ入社約8年で昇給停止になります。

それが日本の中で看護師の給与水準を引き下げた原因と考えられます。

この給与制度では、看護師だけでなくすべての職種でベテランを育成できません。

長期勤続すれば昇給する制度が必要です。

この思いを署名という形で職場で共有しましょう。

そして機構に制度の変更を求めていきましょう。

人はお金を意識するだけで協力しなくなる


アメリカの心理学者の実験結果です。

グループを二つに分けて、一方のグループには被験者が気が付かないうちに、お金に関するイメージを言葉や映像で与えます。

もう一方のグループにはお金と関係のないイメージを与えます。

お金に関するイメージを与えられた被験者は、困ったときに援助を求めることも、他者を助けることも低くなりました。

お金に関するイメージを与えられた被験者は、実験助手がわざと落とした鉛筆を拾う本数が少なく、頼まれた仕事に協力する時間も半分程度になったそうです。

人は、お金に関するイメージを吹き込まれただけで、自分のことしか考えない行動に走りがちになるのです。

導入されたボーナス制度は、お金の差でやる気が高まると言いますが、医療現場で不可欠なチームワークを破壊する可能性があります。

※参考文献:ジョン・T・カシオポ 孤独の科学 河出書房新社

2期24号
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